着付けの講習が終了して、宮司の神道さんから御油神社祭礼についてのご説明を頂きました。
8月の第一土日に開催される例大祭は、遠い昔には秋の収穫時期に五穀豊穣を祝って行われていました。その頃は踊山神社(一四四四年九月二十六日、現在の蒲郡市から再遷して御油の踊山に奉安)と呼ばれ、例大祭では歌舞伎や能が境内で奉納されていたとのことです。
五穀豊穣を祝うお祭りに、明治の頃から煙による害虫駆除を目的とした煙火奉納が取り入れられ、次第に奉納煙火が盛んになってきました。そして例大祭の時期も収穫前の8月上旬へ移ってきたようです。
害虫駆除を目的とした煙火奉納は、時代の流れと生活様式の変化とともに、 次第に余興の色合いが濃くなり、豪華で芸術性の高い奉納煙火へ発展し現在の姿になったようです。
厄年が担ぐ御神輿には、神社から神様が遷されています。御神輿は厄を祓う大厄と昨年厄を落とした後厄しか触ることができません。御神輿には神様が乗っているわけですから、慎重を期して担がなければなりません。
担いでいる進行方向に障害物があった場合でも、御神輿は後退しません。障害物を移動させて進みます。神様の進行を妨げてはいけないのです。
御神輿を高い位置から見下ろすことは厳禁です。神様を上から見下ろす行為は極めて無礼なことなのです。御神輿巡行の道中には民家の並ぶ街道を通過します。2階から御神輿見たさに覗く子供は、大人から厳しく叱られたものでした。
御神輿の巡行中にはいくつかの休憩があります。休憩中の御神輿の下を人々は好んでくぐり抜けます。普段は決して通ることができない神様の下をくぐることで無病息災などのご利益に与ろうとするのです。
祭礼中の御神輿は神様そのものです。みやく会は心して扱わなければなりません。